干物の基礎知識
干物は、焼くと香ばしい匂いで食欲をそそり、身はジューシーでふっくらとし、
私たちの食卓に欠かせ存在です。
独特の旨味として、魚の味を最大限に引き出してくれます。
そんな干物の基礎知識をご紹介します。
旨味が増す
まず干して乾燥することにより食感が変わります。
水分の量が少ない分、味が濃くなり味わい深くなるのが特徴です。
魚介類中に多く含まれるたんぱく質も干物への加工過程で変形して、
独自の旨味へと変化していきます。
そして旨味の元と言われているイノシン酸が多く生成されていきます。
昔は輸送手段や保存目的で作られていた干物ですが、嬉しい産物です。
栄養素が上がる
魚肉にはビタミンDを多く含んでおり、
カルシウムを吸収するのに大いに役立ちます。
魚介類自体にカルシウムを多く含んでいるものが多く、
干物だけで健康的な骨づくりを完結できてしまう素晴らしい食材となっています。
1日1食は魚料理を食べることで、効果的にビタミンDを摂取することができます。
保存期間が
延びる
一般的な生魚は、冷蔵の場合は1~2日に食べてしまわなければなりません。
しかし干物は冷凍で約1カ月とかなりの期間保存ができます。
昔の干物は完全な保存食としての機能を期待されていたために、塩分を多めに添加して、
ほぼ完全に水分を飛ばしていたのでかなり長い期間保存が可能でした。
今現在の干物は、健康面と美味しさを重視して塩分は少なめ、水分を飛ばし切りません。
美味しく頂けるのと保存の両方をバランスよく作った素晴らしい食材です。
干物の歴史
干物は縄文時代には既に作られていました。
縄文土器から貝の干物が発見されていることからそう考えられています。
愛知県にある縄文時代の貝塚から大量の貝殻が発見されていて、
その頃から保存目的で大量の干物を作っていたことが分かります。
縄文時代は狩猟や作物で食糧供給を賄っていましたので、
自然災害や状況により不安定なのは仕方がないことです。
食べ物が多く捕れた時に保存し、成果が少ないときに干物が一役買っていたわけです。
干物をおいしく食べるための
焼き方
フライパンで焼く場合
・くっつくのを防ぐ
魚がフライパンにくっつくと、片づけが面倒になります。
そのため、フライパンを温めてからクッキングシートを敷くと、
魚がフライパンにくっつくのを防げます。
・皮のほうから焼く
皮が下になるように魚を置き「中火」で焼きます。
皮に焼き色がついて身が白くなったら、魚を裏返しにしましょう。
反対側にも焼き色がついたら、火を止めて皿に盛ります。
なお、みりん干しは焦げやすいため注意が必要です。
焦げるのを防ぐためには「弱火」で焼いたほうがよいでしょう。
グリルで焼く場合
・くっつくのを防ぐ
網に酢やサラダ油を塗ることで、魚がくっついて身が崩れるのを防止できます。
・身のほうから焼く
グリルを使うときも魚の皮を下にしますが、焼くのは身のほうからです。
グリルを熱して温まってきたら魚を置き「中火」で焼いていきます。
身に焼き色がついてきたら裏返し、皮にも焼き色がつくように焼きます。
火は少し弱めのほうがよいので「弱火」から「中火程度」がおすすめです。
魚の両面に焼き色がしっかりつき、身にも火が通ったのを確認できたら完成です。